神山吠える-2016年2月

                                          2016年 2月1日 更新〈第47回〉

 

沖縄県宜野湾市長選挙

「辺野古反対運動」に拒否反応

 ―普天間飛行場は固定化阻止へ 
         宜野湾市民の賢明な選択―

 

安倍首相の周到な用意が奉功

 全国的に注目された宜野湾市長選挙は、5857票の大差で現職の佐喜真淳氏が再選を果たした。
 告示前から同市長選挙は安倍首相と翁長知事の代理戦争と言われ、両陣営にとって、どうしても負けられない選挙であったが、翁長知事とオール沖縄が全面支援した志村恵一郎氏は、とうとう過去4回の市長選挙の中で最高の票差という、実に見っともない結果で敗れてしまった。
 志村候補というよりも翁長知事自身が先頭になって大声で訴えた「辺野古反対」も空しく、宜野湾市民の良識は賢明な「普天間返還、固定化阻止」を選択したのである。
 その選択は、先が見通せない反対運動一辺倒ではなく、現実に移設工事が進行している最中の合理的な選択といえよう。

 沖縄県民が固唾(かたず)をのんで見守っていた宜野湾市長選挙。筆者は、開票日の夕方、宜野湾市内に住む友人に「選挙結果は佐喜真氏が勝つ。負けた場合は得票率で2~3ポイントの僅差だ、大差の場合は早々と当確が出るだろう」と予告していたが、前回が900票差で勝利しており、大差といっても最大で2000票程度を予想していた。ところが、何と5800票とは実に驚きだった。
 NHKと産経新聞が報じていたように、翁長知事は選挙期間中、連日宜野湾市に出向き、公務の傍らどころか戸別訪問をするまでも全力投球をしたが、それでも大差で及ばなかった。安部首相に完敗した翁長知事の敗戦ショックは計り知れないものがあろう。

 詳細は省くが、その一方、佐喜真候補を支援した自公の選挙技術は実に見事だった。安倍政権内では2014年の知事選で敗北した直後から宜野湾市長選の戦略が周到に練られていたという。
 その間、県内の選挙で連勝しているオール沖縄は宜野湾も勝てると思って半ば安心して寝ていたのではないか。
 佐喜真氏の当選はひいては我が国の安全保障を真剣に考える安倍政権の周到な用意が奉功したとも言える。

沖縄二紙の論調には無理がある

 開票日の翌日(1月25日)、沖縄二紙は選挙結果が佐喜真氏の当選であっても「辺野古反対」の民意は変わらない。という趣旨の論調で連日思う存分に紙面展開した。新聞の主張は自由だが、しかしそれは民主主義の根幹をなす選挙結果の否定であり、宜野湾市民に対しても大いに失礼である。
 琉球新報は、よくも「社説」で佐喜真氏の当選は「新基地容認ではない」、という大見出しを打って<佐喜真氏再選で沖縄の民意が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設容認に変わったわけではない。佐喜真氏は選挙戦で辺野古移設の賛否を明言せず、市民が容認したことにはならないからだ>と主張し、また、沖縄タイムスも同じく「社説」で「辺野古外しが奏功した」という見出しで、両紙劣らず異口同音の主張を展開している。
 しかし、宜野湾市民の民意が果たして「辺野古容認ではない」と本当に言い切れるのかどうか。そこには大いに疑問の余地がある。

 なかんずく筆者は、今回の選挙で宜野湾市民の大半は消極的ではあるが、間違いなく「辺野古容認」に傾いているものと解している。
 (宜野湾市長選挙は、確かに辺野古問題が争点にはならなかったが、しかし、佐喜真候補が辺野古容認であることを有権者は充分に知り得ての投票行動ではなかったのか。)
 ご承知の通り、辺野古反対の象徴的な大組織であるオール沖縄と翁長知事、そして、志村候補が一体となって、あれだけ「辺野古反対」を強力に訴えたにも拘わらず、志村候補が大差で敗れたことは、すなわち、宜野湾市民が佐喜真候補を支持するという形であの「辺野古反対」の絶唱が間接的に拒否されたことは明白であり、たとえ「辺野古」が争点にならなくても、志村候補は一方的に「辺野古反対」を最後の最後まで叫び続け、それでも「辺野古反対」に支持を得ることができずに大差で落選した。その経過と結果の事実は重大だ。いみじくも、共同通信社の1月30日、31日の全国世論調査によると、辺野古「反対」よりも「賛成」が4ポイントも上回っている。出口調査云々もあるが、宜野湾市の選挙も概ねその兆候であったと見るのが正解だ。従って、沖縄二紙の論調には大いに無理がある。

沖縄二紙の信用失墜も選挙に影響

 最後に、選挙期間中に翁長知事と志村候補が揃って、戸別訪問しているところを、NHKが映像で生々しく放送し、産経新聞も伊波洋一選対本部長代理(志村陣営)のコメントまで載せて報じた。また、ネット上でも広範にその情報が流され話題となった。
 ところが、沖縄二紙は、この重大情報を報じなかった。そんな明らさまの偏向報道を県外紙に知れたら苦笑するだろう。

 この頃「不都合な真実」は意図的に報道しない、沖縄二紙への反発が内外で高まり、沖縄県内でも複数の組織が反二紙運動を展開し、また、地方議会では二紙の購読中止を訴える議員に同調する輪が微かながらも広がっているという。
 沖縄県紙たる琉球新報と沖縄タイムスの信頼が名実ともに揺るぎつつあることは間違いないようである。偏向だらけで翁長知事の支援紙に成り下がった沖縄二紙の、この頃の信用失墜も少なからず佐喜真候補に利したと言える。

 さあ、これで宜野湾市長選挙は終わった。次は6月県議選、7月の参院選だ。辺野古裁判の行方も含めて、そのプロセスにも深く注視して行こう。

                         < 完 >

 

次回は3月1日更新。毎月1日定期更新。その他必要に応じて随時、適時に更新いたします。どうぞ、時折に本ブログをお開けください。

 

 

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