神山吠える-2016年3月

 2016年 3月1日 更新〈第48回〉

ご愛読ありがとうございます。 せっかくアクセスいただきましたが、筆者が出張中の ために4月6日に更新いたします。ご了承ください。

 

辺野古裁判の雑考雑感

 ―翁長知事の不可解な証言―

 

はじめに

 沖縄の米軍基地問題は依然として辺野古裁判のことで全国的にも注目されている。
 2月29日の衆議院予算委員会でも維新の江田氏は自らが橋本総理の秘書官だった頃を思い出したのか、「橋本総理は17回も沖縄の大田知事と会談を重ねた」と安倍総理に詰め寄ったが、安倍総理からは「会えばどうにかなる。何とか見通しが立つのであれば何度でも合いますよ」とたたみ返された。
 辺野古問題は国が提訴に踏み切る前に、辺野古の工事を1ヶ月間も中断して、国と県が集中協議を行なったが成果どころか、逆に双方の対立が深まってしまった。
 普天間移設問題は、とうとうここまで陥ったのかと思えば少し悲しくもなる。特にこの頃はメディアが氾濫しており、沖縄の米軍基地問題が国民の目にどのように映っているのかも気になる。

翁長知事と稲嶺市長の証言

 さて、米軍普天間飛行場の移設に伴う、辺野古の埋め立て承認を取り消した翁長知事を、国が訴えた代執行訴訟の第4回口頭弁論(2月15日)では翁長知事が出廷し、また、2月29日の第5回口頭弁論では稲嶺名護市長が出廷しそれぞれが証言した
 稲嶺市長は証言台に立つまでもなく、予想通り「国による辺野古新基地建設の強行は地方自治の原理に反する」また「新基地が出来ると騒音の増加や自然が破壊され、住民生活が悪影響を受ける」などと訴えた。そこで問題は2月15日の第4回口頭弁論での翁長知事の本人尋問での証言だ。

 翁長知事は「埋立て承認取り消しの適法性を訴え。国による代執行訴訟は地方自治法上の要件を欠いていると主張し、承認が法的に瑕疵があることにも触れ、また知事が尋問で改めて強調したのは沖縄の基地負担だった。
「沖縄は、沖縄戦で甚大な犠牲を払わされ、収容所に入れられている間に先祖伝来の土地を米軍に強制接収された」という事実についても重ねて強く訴えた。翁長知事の証言は確かに沖縄県民の一定の共感を呼んだ。例の通り、新聞二紙も大きく知事の証言を称えた

翁長知事の本心が読めない

 ところが翁長知事はその一方で、仮に県が裁判に敗訴した場合の対応について問われ、知事は「行政の長であり、裁判所の判断に従う。最高裁などで確定した場合はその結果に従う。」と証言している。国側の尋問だけでなく県側の尋問にも翁長知事は同じように証言した。
 翁長知事はあれだけ辺野古反対がオール沖縄だと言い張っており、翁長知事に「辺野古阻止」という固い決意と裁判に勝訴するという強い信念があれば、そこまで踏み込んで証言する必要はなかったのではないか。裁判の結果に従うことは当然だが、しかし、他のいい方もあったはずだ。
 新聞二紙はこのことを大しては扱わないが、このことはどうしても見逃すことができない、実に不可解な証言だ。だから、裁判が結審した現在でも翁長知事の本心がなかなか読めないということだ。

 選挙前から一貫して「あらゆる手段で辺野古を阻止する」と主張している翁長知事。その翁長県政を全面支援している「島ぐるみ会議」から表立った反発が出ないのも又不思議である。この裁判、政治的な側面も強く高裁での判決がどのような形で下されるか現在のところなかなか見通せないが、しかし、最終的(最高裁)には間違いなく国側が勝訴するものだと筆者は確信している。おそらく翁長知事も内心そのように思っているのではないか。そうであれば、裁判所の判断に従うという証言は『あらゆる手段で辺野古を阻止する」どころか、辺野古の新基地建設を指を咥えて見ていることになる。政府が、今でも翁長知事の変心に期待しているとすれば、裁判所が提示した和解案が成就する微かな可能性もある。

 いずれにしても二つの裁判が2月29日に結審し、3月17日と4月13日には判決がそれぞれ下される。前後数日間は全国的にも大騒ぎになるだろう。
 辺野古反対派と容認派、そして翁長知事がその後にどのような行動に出るか大いに気になる。(2月29日 記)

                         < 完 >

 

次回は4月1日更新。毎月1日定期更新。その他必要に応じて随時、適時に更新いたします。どうぞ、時折に本ブログをお開けください。

 

 

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