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2016年 6月1日 更新〈第51回〉

 

伊勢志摩サミットの中の            
 沖縄米軍属事件と知事発言<前編>  

 

はじめに

 2日間の日程で三重県で開催された伊勢志摩サミット(主要7国首脳会議)は5月27日に閉幕した。
 サミットの直前には、沖縄の米軍属による不幸な女性死体遺棄事件が発生し、内外のメディアも同事件を大々的に報道した。
 日米両政府も同事件を懸念し、オバマ大統領の広島訪問にも水を差すのではないかと一時は心配もされたが、幸いに事態はそこまでは及ばなかった。日本政府は直ちに予定していた日米首脳会談を1日前倒しで開催するなどその初動対処が奏功してか、心配されていた同事件によるサミットへの影響はほとんどなかったようである。

安倍・翁長会談の賜物

 沖縄の翁長知事は、事件直後に安倍首相と会談し、在日米軍専用基地の大半を強いられている沖縄県の知事として、「県民の生命と財産、そして将来の子や孫の安心安全を守るために、どうしてもオバマ大統領に直訴したい」と、安倍首相に強く申し出たがサミット期間中のそれは実現しなかった。
 そのこと事態は、沖縄側から見れば残念と言えば残念だが、しかし、当初から主要国首脳会議(サミット)という世界最高レベルの会議の性質上、その期間中に沖縄の翁長知事が入り込むという可能性は限りなくゼロに近かった。そうであっても安倍首相は翁長知事の申し出を丁寧に聞き置き、首相は予定していた日米首脳会談を強いてサミットの前夜に強行し、オバマ大統領に直談判で臨んだのである。

 外務省の事務方では1975年にフランス(ランブイエ)で開催された第一回目のサミット以来、サミット期間中にそんな過激な日程変更は未だ聞いたことがないという。さすがに米国側も驚いたようである。
 それでも米国側は日本側の要求を呑むしかなかった。政府筋からの情報によると、その背景には日本が議長国であると同時に、翁長知事が安倍首相との会談の中で「オバマ大統領にも直訴したい」と発言したことが少なからずあったという。
 そうであれば、翁長知事の「オバマ大統領にも直訴したい」とのあの発言は全くの無意味ではなく、結果的に安倍首相の対米交渉を微かに後押し、今後の「大統領・知事会談」の布石にも一筋の光明が射したことになる。

翁長知事の認識

 ところが、翁長知事のその後の記者会見を見る限り、そのように前向きには解していないようである。確かにサミット期間中の大統領直訴は実現しなかった。そのことを指して翁長知事は「大変に残念だ。安倍首相は、出来ないことは全てやらない、といっているようなものだ」とまたまた愚痴を零すようでは駄目だ。翁長知事のこのような反日的認識では今後の日米交渉が益々困難になる。
 安倍首相は、日米首脳会談の冒頭で、沖縄の女性死体遺棄事件ではオバマ大統領に断固抗議し、オバマ大統領も記者会見で緊張した面持ちで深い遺憾の意を表明し、首を垂れた。
 そこまで日米両首脳が沖縄の事件で問題を共有したのだから、これ以上のことは正に今後の課題ということになる。

 日米首脳会談後の共同記者会見を見てもその雰囲気から、安倍首相がオバマ大統領に対し、沖縄の事件で強く詰め寄り、厳しく抗議したことが誰の目にも明らかだった。
 日米両政府は従来と変わって、沖縄の米軍事件問題で間違いなく名実共に一歩を踏み出したのである。
翁長知事は自らの発言がその一歩に作用していることを見落としている。翁長知事にはこの頃どうも本物を見分ける眼力が弱まったような気がして残念だ。
 最後に、同事件の被害者及びその遺族には謹んで深く哀悼の意を表し、容疑者・米軍には強く抗議し、速やかに実効ある再発防止を要求する。 

< 後編へ続く >

 

次回は7月1日更新。毎月1日定期更新。その他必要に応じて随時、適時に更新いたします。どうぞ、時折に本ブログをお開きください。

 

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