2017年 4月10日 更新

〈第61回〉

はじめに 

 まずはこの問題だ。民進党東京都連幹事長の長島昭久衆議院議員が7日、同党都連に辞表を提出し、同時に長島氏は民進党をも離党することを表明、同党は今大騒ぎのようだ。

 長島氏は、「価値観の大きく異なる共産党との共闘路線は譲れない一線を越える、国民の理解が得られない」と自身のツイッターで言っている通り、長島氏の政治理念からすれば民進党からの離党は前々から時間の問題とは見られていたが、7月の都議選を前に民進党は結党1年で初めて国会議員の離党者を出すことになる。

 長島氏は2003年の衆院選で初当選し、外交・安全保障の党内きっての論客として知られ、野田内閣では首相補佐官や防衛副大臣などを歴任した党の重鎮だ。また、長島氏の他に都連では36人の都議選公認候補のうち、すでに7人が民進党に離党届を出しているという。

 沖縄では元々から国政野党第一党の民進党は県議会で議席はゼロだが、中央でも限定的とはいえ徐々に離党ドミノが拡大していく可能性がある。

 これもあれも全て、蓮舫代表の不徳の致すところであり、民進党はそろそろ次の代表選の準備に入ったほうがよかろう。次は、お隣韓国情勢の問題だ。

憲政史上初の弾劾罷免

 韓国初の女性大統領として脚光を浴びた朴槿恵容疑者が、3月31日逮捕された。トレードマークであったアップの髪はほつれ、化粧を落とした顔はすっかりとやつれきっていた。そして逮捕の瞬間は無言の表情で10分余りも涙を流していたという。

 強大な権力を振るっていた朴前大統領は、スキャンダル発覚からわずか5カ月で、憲政史上初の弾劾による罷免とそして逮捕という屈辱を味わった。

 韓国メディアの報道によると、拘置所内では朴氏が前大統領という身分に配慮して、広さ6.56平方メートルの独房ではなく、6,7人用で広さ12平方メートルの共同房を一人で使ってはいるが、しかし、毎日の食事は他の囚人と同じく1食148円にとどまり、食器も自分で洗って返却し、また、独房では折りたたみ式のマットレスと小さな座卓しかなく、トイレも房内で行うという。

 かつては、偉大な朴正煕元大統領を父に持ち、「お姫様」と呼ばれた朴氏の暮らしぶりとは大きくかけ離れた生活が今、朴槿恵氏には強いられている。実に哀れな姿である。

 当初は在宅起訴で留まるのではないかと予想されていたが、韓国の検察はそれを許さなかった。

朴支持派の主張と逮捕の背景・構図

 だがその一方、朴支持派が主張している「政治的な逮捕だ」ということも、全面的に否定することも出来ないのではないか。なぜならば、5月9日投開票の大統領選では、左派の野党「共に民主党」の文在寅氏が支持率でトップを走り、彼は弁護士出身で「検察改革」を公約に掲げて、当選が揺るぎないものと確実視されている。また、世論調査でも国民の7割以上が朴容疑者の逮捕を望んでおり、このような政治情勢の中で、検察の解体・大改革を危惧した検察側が、次の大統領に最も近い文氏の意向を忖度して、朴容疑者の逮捕状を裁判所に請求し、世論の反発を恐れた裁判所が逮捕状を発付した。その構図が少なからず作用していると思うからである。

 朴容疑者の弁護人の間では、2月末に開かれた憲法裁判所の弾劾審判の最終弁論を朴氏が拒否することなく、朴氏本人が堂々と出廷して意見を述べておれば「このような結果にまでならなかった」との声もあるようだが、今になっては全てが後の祭りだ。

 いずれにしても韓国初の女性大統領になった朴氏は、権力の頂点からどん底へ、あまりにも急激かつ無残な転落である。

 朴氏の逮捕によって韓国の保守は日暮れて道遠く、先の見えない冬の時代が始まったような気がする。日米と共に北朝鮮への包囲網を強化してきた韓国保守の衰退は日米韓の3国関係にも影響は必至だ。

 朴氏は大統領の風格というよりも、ひ弱で優しそうな平均的な中年女性。栄光からの転落で彼女にはどのような運命が待っているのか、そして裁判所がどのような判断を下すのか、韓国政治の前途を見極める上でも重要である。

 今回は序論として、大統領選の結果や日米韓の3国関係に関しては次の機会に論じることにしよう。(4月9日 記)

 

次回は5月1日更新。毎月1日定期更新。その他必要に応じて随時、適時に更新いたします。どうぞ、時折に本ブログをお開きください。

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著者紹介

著者 山里 永吉

山里永吉 氏

 1902年(明治35年)那覇上之蔵に生まれる。画家。大正13年、日本美術学校中退、前衛画家としてマヴォ同人、さらに日本の著名な前衛画家を統合して三科を創立し、その会員となる。
 大正5年、すすめられて脚本「首里城明渡し」、「那覇四町昔気質」等を執筆各劇団が上演する。戦後、琉球政府文化財保護委員長、琉球政府立博物館館長、琉球文化連盟会長、琉球史料研究会長を歴任する。1989年没。
            主なる著書
           「沖縄歴史物語」「沖縄人の沖縄」
           「沖縄の文化財」「沖縄史の発掘」
           「首里城内の女たち」

 

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