2017年 6月1日 更新 〈第62回〉

辺野古で苦悩する
    翁長雄志沖縄県知事

 辺野古問題の昨今の状況を深読みすると、先の知事選でオール沖縄側は翁長雄志氏を候補者に立てて、本当によかったと思っているのかどうか。この頃は論外で思案することが多くなった。

 一方、自民党県連と公明党県本は来年1月の名護市長選挙までに辺野古移設問題で歩み寄ることが出来るのかどうか、これもまた気になるところである。

 自民党沖縄県連は4月8日の県連大会で辺野古移設問題に関しては「辺野古を含むあらゆる選択肢を排除しない」という従来の政治姿勢を見直して「辺野古容認」を明文化することを決議した。

 県連としては、辺野古工事は現実に進行しており何時までも曖昧な表現をする訳にはいかなかったのである。

 要するに、最高裁の判決でも国が勝訴し、政権党が国策として辺野古移設を推進している以上、責任政党の県連としては現実に帰して「辺野古容認」の表現を明確にしたということだ。

 これまでの「辺野古を含むあらゆる選択肢を排除しない」というのは、衆院議員選を目前にして、党本部から無理矢理に押し付けられたものであることは、当時の記者会見を見る限り誰の目にも明らかであった。ところが、今回はそうではなく、沖縄県連の主体的な判断によって「容認」に転じたことは、一定の評価に値するだろう。

 次は、来年1月の名護市長選挙と11月の知事選挙を前にして、現在も辺野古移設の「反対」を堅持し続ける公明党県本と、どのような形で政策調整を図るかが鍵となるが、最終的には公明党県本が中央からの調停に従って、自らの政策を変えることなく、自民党県連の「辺野古容認」を黙殺するという形で、来年の名護市長選と知事選も自公一体で乗り切るのではないかと推測される。

 さて、翁長知事の辺野古承認の「撤回」問題だが、この頃は知事の最大支持母体となっている「オール沖縄」も翁長知事の辺野古承認の「撤回」問題で頭を痛めて騒めいている様である。

 翁長知事は仲井眞前知事の辺野古承認を「撤回」するとは言うものの、一体、何時やるのか、本当に「撤回」するのかどうか、それが見えてこないからである。

 今までは翁長県政を窮地に追い込むことは一切書かなかった沖縄二紙も、最近になって珍しく、異口同音にして翁長知事に「撤回」を迫っているが、それでも知事サイドはどういう訳か、全く沈黙を守ったままである。

 辺野古工事は日増しに、そして着実に進行しており、今の状態が長引けば長引く程に、翁長知事は実態としては国の辺野古移設を事実上「容認」していることにはならないのか。或いは、もう今になっては、「あらゆる選択肢を排除しない」と言うのか。翁長知事の最近の行動にはいささか疑問を感ずる。

「普天間」を待つ「辺野古」

 筆者は、安全保障のための国策には「容認」の立場だが、それでも辺野古「反対」で翁長知事を誕生させた支持母体が、知事の最近の姿勢に疑心を深めて騒めくのも大いに理解できる。この理解は今後拡大していく可能性がある。

 最高裁の判決が出るまでは、翁長知事のあの選挙公約である。「あらゆる方法を駆使して辺野古の新基地建設を阻止する」が正に「昇り旗」のように高々と見えたが、昨年暮れには最高裁の判決で敗訴し、1月には知事盟友の安慶田副知事が不祥事で辞任し、その後の宮古島市、浦添市、そしてうるま市の市長選で連敗した現在は、翁長知事も完全に自信を失い、また支持母体にもかつての勢いが全くなく、翁長知事のあの勇ましかった選挙公約も、どうもこの頃は空しく聞こえるようになった。

   最近の知事の振る舞いを見ての筆者の直感的な感想である。

 

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