2018年 2月15日更新 〈第71回〉

名護市長選挙に見る沖縄二大紙の報道実態<前編>ー特定陣営の機関紙化した悲哀な新聞ー

心の緩みで苦杯を嘗めた稲嶺陣営

 沖縄タイムスと琉球新報は、日頃から「沖縄の世論は自分たちが作る」と豪語しているようである。そうであれば、沖縄の選挙は相手候補との戦いというよりも新聞との戦いということになる。

 過去に自民党の幾人かの要人もそのようなことを言っていた。いみじくもそれが如実に現われたのが今回の名護市長選挙である。

 しかし、今回の名護市長選挙は、沖縄二大紙の思惑通りにはならなかった。その結果は、辺野古容認派だった新人で元市議会議員の渡具知武豊氏が現職の稲嶺進氏を破って初当選を果たしたのだ。

 翁長知事と並んでオール沖縄では、辺野古反対の象徴的な存在である稲嶺氏は、大方の予想に反して3458票の大差で苦杯を嘗めたのである。

 その直前に行われた南城市の市長選挙では、オール沖縄が全面支援した新人の瑞慶覧長敏氏が僅差で初当選を果たし、その勢いがそのまま名護市長選挙にも及ぶのではないかと思われていたが、そうではなく南城市でのオール沖縄側の勝利がむしろ稲嶺陣営に心の「緩み」を生じさせ、結果として渡具知陣営の「引き締め」に増々拍車がかかった。渡具知陣営が一丸となって、必死で当選を目指している時に、一方の稲嶺陣営では真逆でも「落選」はないものと早くも勝利感が漂っていた。翁長知事も陣営の心の緩みに激怒して引き締めを図ったが、その頃は既に選挙は事実上の終盤戦を迎えていた。

 山頂を目指してスタートを切った兎と亀の競争は、足の速い兎が油断して昼寝をしている間に、亀はいそいそと山頂まで辿り着いていたということだ。亀には、「経済振興」の追い風が吹いたが、兎には昼寝を目覚ますだけの「辺野古反対」の風が吹かなかったのである。

選挙の「争点外し」は両陣営に共通

 今回の名護市長選挙を見る時に、現職の稲嶺候補は「経済振興よりも辺野古問題」、新人の渡具知候補は「辺野古問題よりも経済振興」を、それぞれが選挙の争点にしたかったが、しかし、両陣営の選挙戦略上から論点がどうしても噛み合わなかった。その実態をしっかりと捉えておく必要がある。

 この頃、沖縄二紙は「辺野古問題」に限定しそれを前提にして、渡具知氏が争点外しに徹したことを批判しているが、それでは稲嶺氏も「経済問題」に限定し、それを前提にするならば争点外しをしたことになる。

 沖縄二紙が名護市長選挙の争点外しを問題にするならば、一方だけでなく両陣営を公平に客観的に批判すべきである。

 稲嶺氏が惨敗した選挙後の新聞の論調では、選挙結果が名護市民の「民意」ではないことを主張する反面、渡具知氏がいかにも〝争点外し〟で不正でも働いたかの様な印象を与えている。選挙に勝利するには万策を講じたいろいろな戦略があろう。また過去には〝争点外し〟になった選挙はいくらでもある。

 そもそも選挙の実態に反して、投票当日まで「名護市長選挙は辺野古移設問題が最大の争点」であると、連日、大見出しを打って紙面を賑わしたのは、沖縄タイムスと琉球新報ではなかったのか。

 実際には、「最大の争点」ではなく、「定まらない争点」と見出しを打って、報道すべきであったが両紙は有権者の投票行動に期待したのか、投票日の当日まで一貫して「辺野古」の争点化を謳い続けていた。これこそが、いわゆる両紙によく見られる最たる印象操作である。

沖縄二大紙では、今後も知事選を視界に入れた同じような紙面展開が予想される。

 名護市長選に見る沖縄二大紙の偏向報道には本当に驚いた。繰り返すが沖縄タイムスと琉球新報のこのような編集スタンスは、おそらく秋の知事選まで続くであろう。

 さて、それでは、名護市長選挙に見る沖縄二大紙の報道実態を実例で拾ってみよう

<次回(第72回)3月1日更新に続く>

毎月1日に定期更新。その他必要に応じて随時、適時に更新いたします。どうぞ時折本ブログをお開きください。

神山吉光 沖縄事務所 〒902-0068 那覇市真嘉比3丁目14番7号(602) フリーダイヤル 0120−885−989 本人直通 070−5536−8137 FAX 098−885−4570

ーーーーーーーーー<現代公論のご案内>ーーーーーーーーーーー

現代公論 2017冬季号

  2017年「冬季号」目次概況   

定期購読者拡大キャンペーン実施中

 「冬季号」から誌面サイズを従来のB5判から、手軽で利便的なA5判に改善し、頁は60頁から72頁に増頁、そして、定価も650円から600円(税込)に値下げして,お求め易くなります。

 また、従来の定期購読者の購読料は4回分前納制から配本後に1回単位の後納制に移行し、新規の定期購読者は1回単位の前納制になります。どうぞ、定期購読ご希望の読者はご指定の方法でお申込みください。