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2018年 4月1日更新 〈第73回〉

名護市長選挙に見る 沖縄二大紙の報道実態<後編>

 名護市長選挙に見る沖縄二紙の紙面展開で真っ先に目についたのが、告示2週間前(1月14日)にスタートした沖縄タイムスの連載企画「基地・沖縄白書」だ。この連載企画は、毎週3回(日、月、火)の連載で投票日(2月4日)までに6回の連載がある。

 ちなみに第1回目の「プロローグ」には、最近1年間の沖縄での主な米軍機事故と基地被害を一覧表で著し、紙面には16年12月に名護市安部の海岸に墜落したオスプレイの写真を配置して、「安部住民よみがえる恐怖」と大見出しを打ち、本文には次のようにある(要旨)

<-もう、こんな恐怖には耐えられない。「安部から出て行きたい」県内では米軍機からの部品落下も相次ぐ。昨年は6件発生した。12月はヘリの部品が宜野湾市内の保育園の屋根で見つかり、6日後は小学校のグラウンドに約8キロものヘリの窓が落下した。安部での事故前には、宜野座村城原区でオスプレイによる住宅地上空などでの物質つり下げ訓練もあった。米軍機による昼夜を問わない訓練が、恒常的に各地の集落上空や住宅地近くの基地内で行われ、騒音被害も多発している。米軍機の事故は、住民の生活への不安を高める。(中略)
  これだけ事故を起こしても、数日後には米軍が「安全が確認された」と宣言し、日本政府も追認して訓練は再開される。各地で住民が「当たり前の平穏な生活がしたい」と訴え、住宅地上空を飛ばないよう求めても訓練は強行され、また事故が起こる。そんな悪循環が続けられている。
 「いつかまた落ちる」「いつ自分たちの地域にも被害が」-。沖縄では、人命に関わってもおかしくない事故が収まる兆しが見えない。ー>

 これは、本文記事の一部分である。そして、沖縄タイムスはこの時期(選挙前)に本企画を連載するにあたって、その趣旨を次のように述べている。

<国内の米軍施設面積の70、4%が集中する沖縄では、名護市辺野古の新基地建設以外にも騒音や墜落の危険性などの問題を抱えている。住民の暮らしの目線から沖縄の米軍基地問題を検証する。>

 詳細は省くが、沖縄県紙として、在沖米軍基地を住民の暮らしの目線で検証することは大いに結構だ。ところが、あろうことが、投票日(2月4日)までの連載全てが名護市周辺の米軍機事故と基地被害を集中的に取り上げていることにある種の異常性を強く感じる。

 また、この連載企画は1月14日にスタートして毎週3回(日、月、火)連載することを告示(案内)されていたが、どういう訳か1月23日(火)まで6回連載し、その後は一時中断して投票後の2月11日(日)から連載を再開し、現在も継続中だ。おそらくこの企画は秋の知事選まで続くであろう。

 すなわち、この連載企画は、特に北部地域の米軍被害を徹底的に検証してこれでも辺野古に新基地を容認するのかと、名護市民に問い掛け、そして、結果として有権者の投票行動、いわんや稲嶺支援に期待していることは明らかである。この企画が投票日直前に連載を一時中断したことは、偏向報道に対する読者からの激しい苦情を加味したものと推測される。

 名護市長選を直前にして、琉球新報にも同じような企画がある。

 どうも紙面展開で琉球新報も稲嶺候補支援では沖縄タイムスに負けてはおれないようだ。同じく告示の2週間前(1月15日)に「なぜ今頃に」と思われる記事があった。」しかも1面トップである。

「オスプレイ普天間配備、首長7割『撤去を』」と大見出しを打った記事のリード文は次の通りだ。

 <「琉球新報は、米軍普天間飛行場所属機の事故が相次ぐ中、名護市安部沿岸に墜落するなどして事故率の上がる米海兵隊輸送機MV22オスプレイについて県内41市町村長にアンケートを実施した。オスプレイ配備には全市町村の約7割の29人が配備の撤回(撤去)を求めた。配備を認める首長は一人もなかった。
全国への訓練移転には9割を超える38人が「賛成」で反対はゼロ。相次ぐ墜落などを受け配備前から倍増した事故率については9割近くの36人が「不安」を訴えた。沖縄配備から5年余りがたつが、依然としてオスプレイ運用への不安と拒否感が根強いことが浮き彫りになった。>

 これは、米軍機の象徴的なオスプレイの沖縄配備に関して、県内41市町村の首長に琉球新報が問い質したアンケートの結果を、あえて名護市長選挙直前に自紙の1面トップで報じたものだ。読者もご存知の通り、オスプレイ配備に関しては5年前に沖縄の全首長が「建白書」に署名し、全員が揃って東京行動まで展開した経緯があり、何を今更という感じだ。

 本編では一部分しか取り上げられないが、基地反対の候補者を支援する沖縄二紙の世論操作は明らかである。

 名護市長選に見る沖縄二大紙の偏向報道には本当に驚いた。繰り返すが沖縄タイムスと琉球新報のこのような編集スタンスは、おそらく秋の知事選まで続くであろう。

 新聞社が特定政党、特定候補者を支持することは自由だ。しかし、そのことを紙面で露骨に表現することは自らの新聞網領にも反するのではないか。ましてや中立性の堅持と髙く公平性が求められる県紙であれば尚更のことだ。< 完 >

 

 次回は5月1日更新。毎月1日に定期更新、その他必要に応じて随時、適時に更新いたします。どうぞ時折本ブログをお開きください。

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