解り安く、面白く、パンチの効いた時事評論

神山吉光が吠える

2014年12月18日調整更新〈第26回〉

 

衆院総選挙 寸思雑考

 

選挙結果は安倍総理の目論見と一致

今回の突然の衆院解散総選挙は安倍総理ひとりの思惑に日本中が振り回されたようなものだった。結局、選挙結果は与党側が圧勝し、野党側は共産党だけが躍進し、民主党は伸び悩み維新も現状維持にならず、次世代と生活に至っては限りなく衰退し解党寸前にまで陥ってしまった。
野党側の準備不足に命中した今回この選挙結果は安倍総理の目論見と完全に一致したと言える。従って野党側から大義なき解散と批判された今回の解散総選挙は、与党側からすれば大成功であったと言えよう。
何となく今回の解散総選挙で〝誰が何と言おうと解散は与党側が勝てる時にやる〟これが衆院解散の鉄則であることを強く実感させられた。

民主党海江田代表の落選

 今回の総選挙で特徴的なのは、全国を回ってあれだけ『アベノミクス』を、批判していた野党第一党の海江田万里民主党代表が比例区でも復活当選がならず落選したことだ。これだけでも与党に対峙する野党第一党のダメージは大きい。そもそも民主党は前回の総選挙でも選挙区で落選した海江田氏を代表に選んだのが間違いだった。彼の体内には、負け神が宿っている。
次の代表選は年明けの1月に党員・サポーターを含めた代表選になるようだが民主党は前々から憲法問題や重要政策で党内が割れており、野党再編のことも絡み今後の党勢回復には相当なエネルギーが必要になろう。

晩節を汚した石原慎太郎氏

 それから、17日に引退会見をした次世代の党の石原慎太郎最高顧問のことだが、石原氏は比例東京ブロックの同党登載順位をあえて最下位に登載し落選した。当初から自分の落選を覚悟し自党の若い候補者を当選させる為の戦略ではあったと思うが、何も選挙の落選を政界引退のセレモニーにすることはなかったのではないか。
石原氏には今回の選挙にあえて立候補し落選したことで自身の晩節を汚したという印象がどうしても拭えない。残念だ。
石原氏は1968年参院選で初当選して政界入り。72年に衆院にくら替えして運輸相などを歴任した。99年には東京都知事となり、4期目途中の2012年の衆院選に旧日本維新の会から出馬して当選。その後は維新の会から分党し次世代の党を結党した。参院議員を1期、衆院議員を9期務めた。
東京都知事だった石原氏は横道に脱線することなく、東京都知事のままその任期を全うしておれば名実共に花道での政界勇退になり最高だった。
現代日本を代表する個性的な政治家であっただけに誠に残念である。

解党寸前の生活の党

  日本を代表する個性的な政治家と言えば、もう一人忘れてならない人がいる。それは生活の党の小沢一郎氏である。小沢氏は、2年前の総選挙直前に未来の党を急ごしらえで結党し選挙選に臨んだが選挙は予想外にも惨敗。そうしたらいとも簡単に同党を選挙直後に解党。今度は潔く現在の生活の党を立ち上げて代表に就いた。
ところが、今回の総選挙前には党の幹事長と国対委員長が揃って離党し、古巣の民主党に戻るなど乱心の中でも19人を立候補させたが、これも又見事に惨敗。当選者は小沢氏本人と沖縄第3区の玉城デニー氏の2人だけになった。
近年、小沢氏の政治活動を見てみると残念ながら坂道だけを一生懸命に下ってるような感じがする。
生活の党は参議員の2人を含めても政党要件の5人に満たない哀れな政党集団となってしまった。年内に国会議員1人の勧誘に失敗すれば小沢氏の生活の党はいよいよ解党ということになる。
 だが、次の参議員選までに野党再編があるとすれば、小沢氏の政界生命力はまだまだ脈を打っているような気がする。

― この人民にして、この国あり ―

(政治は人民のレベルに比例する) 福沢諭吉

 

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毎月1日と15日に定期更新)