解り安く、面白く、パンチの効いた時事評論

神山吉光が吠える

2015年3月15日更新〈第32回〉

 

鳩山元総理よ、もういい加減にせんか

~ 国益を害する鳩山由紀夫氏のウクライナ訪問 ~ 

 

 

本物の宇宙人になった元総理大臣

鳩山由紀夫元総理が、また厄介なことをしでかした。先日(3月11日)、鳩山氏はロシアが実効支配して、現在国際的にも問題になっているウクライナ南部のクリミア半島を訪問したのだ。その訪問前に日本政府は、ロシアによる一方的な編入を「国際法違反」として認めておらず、ロシアが実効支配する現状で鳩山氏が訪問すればロシア法令に従うことになり、編入を追認することにつながるとして、鳩山氏にクリミア訪問の断念を強く働き掛けていた。
 ところが鳩山氏は外務省の強い働き掛けにも拘わらずロシアを経由して、クリミア半島のあるウクライナに飛んで行った。彼が理事長を務める東アジア共同体研究所の理事も同行しているようである。
 鳩山氏はクリミア入りする前にモスクワで、クリミア半島で住民の意思を確かめ、編入の是非について考えたいとの意向を示し、同時に「日本には正確な事実が伝わっていない。住民がどういう気持ちでいるのかこの目で見たい。」とも語っていたが、ところがどうだろうか。外務省の強い反対を押し切って、そんなことまで元総理がやるべきことなのか、それはメディアがやるべきことだ。鳩山氏はもう少し冷静に考えて欲しい。どうも鳩山氏は総理経験者が果たすべき仕事を勘違いしているようである。鳩山氏のクリミア訪問の翌日(12日)、弟の鳩山邦夫氏(元総務大臣)はテレビ番組で、兄由紀夫氏のことを次のように酷評した。
 「国益を害する兄の行動を弟がどのように評価するか、もう話にならない。あんなことをするものじゃない、いよいよ宇宙人らしい人間が本物の宇宙人になってしまった。もう、兄は日本人ではなくなった。一生懸命に頑張って、民主党政権で総理大臣になったが、しかし、政権としては史上最低の政権と言われた。議員になる為に選挙に出ようと思ったら世論調査で不利が伝わり断念し、今は議員でも何でもない。元総理の立場にある人があんなことをするものではない。兄は国益を害している。」
 これは、邦夫氏のテレビコメントだが、映像を見る限りあの表情からは弟としての心境がよく伝わってきた。邦夫氏も兄由紀夫氏の行動には頭を痛めているようだ。邦夫氏には政治家として兄よりも見識が高く良識がある。

国益を害する元総理のパフォーマンス

 hatoyama3日本政府は、従来からクリミアの住民投票について「ウクライナの憲法に違反し、法的効力はない」との立場だ。インターファックス通信によると、鳩山氏は、現地で記者会見し、ロシアがクリミア編入の根拠とした昨年3月の住民投票について、「ウクライナの法律に従い、平和的かつ民主的に行われた。軍事的影響はなかった。現地住民の意思によるものだ」と発言し、また、鳩山氏は現地要人らとも会談し、「民主的に行われた住民投票により領土問題が解決したことは、世界史上、画期的な出来事だ」と語り、現地の様子については「人々はとても幸せそうに、平和に暮らしている」などと説明したようである。
 菅官房長官は、鳩山氏のクリミア訪問について「政府の立場に著しく反する。首相まで経験した政治家としてあまりに軽率で極めて遺憾だ」と批判し、民主党の岡田代表は「元総理としてあってはならないこと。」また枝野幸男幹事長も「軽率とのそしりを免れない」と批判した。
 まっとうな批判だ。要するに、このように日本国内では与野党を問わず鳩山氏の行動は支持しないという訳だ。
 その一方、ロシアメディアは「日本の元首相がロシアのクリミア編入を受け入れ、日本政府が科している制裁を解除し、日露関係を正常化させるべきだ。」と訴えていることを大々的に報じ、鳩山元総理の発言を利用して、ロシアのクリミア編入を国際的に正当化することをアピールしているようである。
 このことは鳩山氏のクリミア訪問前から予測されていたことであり、鳩山氏のパフォーマンスは日本の外交戦略を確実に害したことになる。
 また、数年前にも鳩山氏は尖閣諸島の領有権問題が日中間で問題になったその時期に、わざわざ中国を訪問し、中国要人との会談の中で「尖閣諸島は日本が盗んだ、と言われても仕方がない。領有権問題は棚上げにするべきだ。」という主旨の発言をし物議をかもしたことがある。
 いったい鳩山氏はどこの国の元総理なのか、実に情けない思いがする。弟の邦夫氏も言っているように、鳩山氏はとうとう本物の宇宙人になっているようである。
 たとえ一定期間とはいえ、外国からはこんな人を総理大臣に仕立てた日本国民の民度までが疑われているのではないかと心配だ。
 鳩山氏は総理在任中、普天間飛行場の移設問題で「最低でも県外」と公約しながら、あっさりと現在の辺野古移設に回帰させ沖縄を大混乱に落し入れ、かくして、当時は沖縄県民から大反発をくった。その罪滅ぼしもあってか、昨年は東アジア共同体研究所の琉球・沖縄センターを開設したり、またこの頃は沖縄にも辺野古問題で出入りしているようだが、その割には支持が広がらないようである。
 鳩山由紀夫氏よ、もういい加減にして余生を楽しんだらどうだろう。

読者からの反応

 「神山吉光が吠える」(3月15日更新)を拝読しました。ご説に全く同感です。この鳩山の野郎は今更何を血迷っているのか。お金が有り余っているからといって外国を飛び周り、国益に反する発言や行動は謹んで欲しいものです。おぼっちゃまの政治道楽もいい加減にせよと言いたい。彼は日ソ国交回復を実現した祖父一郎のDNAを誇示したいのだろうか。自分が総理大臣の時、米国の圧力で辞任に追い込まれたと思い込んでいるようですね。「友愛の政治」とか中学生や高校生レベルの理想論を掲げて大ボラを吹きまくっているが、このように政治を道楽に弄ぶ人間は政治に口出しするべきではないと思います。どこかの山寺にでも篭って静かに沈黙している方がよほど人のため世のためです。ところで翁長知事は辺野古の落としどころはあるのでしょうか。日琉戦争(?)に発展しなければいいのですが、先々が憂慮される事態ですね。次の更新も楽しみにしています。