解り安く、面白く、パンチの効いた時事評論

神山吉光が吠える

2015年6月1日更新〈第36回〉

 

今回はちょっとだけ一言
~ 憲法審査会での政府与党の失態と
      翁長沖縄知事のあの訪米直訴雑感 ~

 

 安部政権の初歩的な失態

 先の憲法審査会で政府与党側の参考人として推薦を受けた早稲田大学の長谷部恭男教授が、政府与党側の提案した安保法制が違憲だと発言し、それが発端となって、現在国会は大荒れだ。安保法制の早期成立という、安部政権にとって最重要課題の国会審議を目前にしながら、政府与党はとんでもない学者を憲法審査会に推薦したものだ。
一方の推薦を受けた学者も学者だ。安保法制に関わる見解が政権与党と異なるならば始めから推薦を辞退するのが常識ではないのか。
 安部政権の初歩的な失態であると同時に長谷部氏の見識も大いに疑われる。
 野党側は鬼の首でも取ったかのように、3人の学者がそろって、政府与党側が提案した安保法制は「違憲」だと表明したことを受けて、久しぶりに勢いづいているが、そもそも3人の学者は憲法の研究者であって番人ではない。憲法の番人はあくまでも最高裁であることを忘れてはならない。野党も野党だが、とにかくメディアも騒ぎ過ぎだ。
 この問題は間違いなく沖縄のメディアにも飛び火してくるだろう。

翁長訪米唯一の成果

 決して皮肉で言っている訳ではない。この際、強いて翁長訪米の成果を探るとすれば知事自身が直接、ワシントンのありのままの空気に触れてきたということではないか。
 すなわち、辺野古問題解決の鍵穴を探しに遠くワシントンまで飛んでいったが、その解決のための鍵穴はワシントンではなくて東京にしかなかった。いわゆる、辺野古問題は日本の国内問題であるという実感である。翁長知事がそう感じ取ったならばこれが翁長訪米の唯一の成果と言える。
いみくじくも、元国家安全保障会議アジア上級部長で、現在は米戦略国際問題研究所(CSIS)の上級副部長の重職にあるマイケル・グリーン氏は、民法テレビのインタビューに応じて、「翁長知事は辺野古問題解決の為にワシントンに来たのではなく、パフォーマンスの為に来ている。」と語っていた。
普天間飛行場の移設問題が国と国の外交問題であるが故に、ワシントンではこの程度の認識が支配的であったとすれば、沖縄側は今後の戦略を見直す必要があるだろう。
 また、翁長知事を誕生させた沖縄2紙の訪米報道では見ることが出来なかったが、情報によると知事一行がワシントンに到着した6月30日に、沖縄と所縁ある団体が主催する翁長知事の歓迎レセプションも、その日になって急きょ中止されたようである。
 翁長訪米は時期の設定も今の時期で本当に良かったのかどうか、それも含めて、翁長知事の今回の訪米に関しては、拙誌、『現代公論』夏季号でも扱うことにしているので、詳細な情報や批評は同誌に譲ることにする。


 

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これは驚きだ!講談社発行の『 フライデー 』 6月26日号が菅官房長官と「沖縄タイムス」「琉球新報」の報道部長が密会したことを次の通りスクープ撮りで報じている。大見出しはこうだ。   

kanbouchokan

<安部晋三首相(60)が、ドイツ の景勝地エルマウでG7首脳とのサミットに臨んでいた、
6月8日夜8時半。

 都内超一流ホテルのロビー階に、総理の留守をあずかる「内閣の番頭」
 菅義偉(すがよしひで)官房長官(66)の姿があった。

 SPを引き連れた菅氏は、そのままホテル内のバーへと姿を消す。このバー
 には2つの個室があり、その手前にもドアがあるため、菅氏がどちらの個
 室に入ったのか、会合相手は誰なのか、外からは窺えない構造になって
 いる。

  菅氏がそこまで気を遣って面会した相手とは―。
 「沖縄の地元紙、沖縄タイムスと琉球新報の報道部長ら、幹部と会合を持っ
 たと聞いています。両紙は、基地問題で『移設反対』のスタンスを貫き、
 政権の姿勢を批判している。いわば沖縄の世論の代弁者です。沖縄の翁長
 雄志(おながたけし)知事(64)が5月末から訪米、共和党のマケイ
 ン上院議員や国務省幹部らと面会して移設反対を訴え、5日に帰国したば
 かりという微妙なタイミングでした」(菅邸スタッフ)

  2紙には、この前の週に菅長官サイドから「地元紙との懇親をはかりた
 い」と打診があったという。場所等は、官邸側で準備した。

  本誌が目撃したところでは、会合の30分ほど前に政策秘書の黄瀬(き
 のせ)周作氏、官房長官秘書官の林幸宏氏がすでにバーに到着。個室内で、
 沖縄タイムス、琉球新報の幹部を待ちうけていた。

 両紙の面々は8時15分ごろに個室入り、菅氏は8時25分ころに到着
 した。

 「両紙に対しては、『この会合は完全オフレコ』と事前に伝えていました。
 とはいえ。菅氏のほうから報道内容について露骨に注文をつけるようなこ
 とはするはずがありません。

  沖縄に関する思い出話を中心に語ったようですね。林秘書官は経企庁出
 身で、沖縄へのUSJ誘致に道筋をつけた人物。USJについても話題に上がっ
 たようです。

 菅長官からは、『自民党はこれまで、米軍基地移転問題に取り組んできた
 が、なかなか進展しなかった。だが、安部政権は必ずやります。考え直す
 ことはあり得ない。総理は必ず普天間を移転させる。』と伝えた。

  菅氏は以前、『翁長知事も元は自民党で辺野古移転推進派だった。なぜ、
 地元紙は書かないのかな』と言っていたから、この日もそういう話があっ
 たのでしょう。いわば、『抵抗』をつづける地元2紙に腹をくくらせよう
 という意味があったと思います。」(前出・官邸スタッフ)

  個室には、何度かビールのつがれたグラスが運ばれていた。
 会合は2時間以上に及び、10時半過ぎに終了。出席者の一人がバー
 の入り口で深々とお辞儀をしながら、

  「本日はありがとうございました」

  と繰り返し、菅長官を見送った。菅氏も上機嫌で手を挙げて挨拶し、ホ
 テルをあとにした。

  沖縄タイムスはこの翌日の9日にも、基地移転を批判的に捉える記事を
 掲載している。琉球新報も社説で、『国は辺野古移設を諦めよ』などと主
 張していたが、この日の会合をきっかけに「社論」が変化する可能性はあ
 るのか。

  「菅長官から直接話をうかがい、考えを聞く機会と捉え取材方法の一環
 として参加しました。菅長官は基地移設計画を進める従来の政府方針を説
 明しただけで、理解を求める発言はしなかったと記憶しております。会合
 によって、沖縄タイムスとしての立場に変更はありません」(沖縄タイムス
 社東京支社)

  「日常の取材活動、取材源についてのコメントは差し控えます。辺野古
 新基地問題についての本紙の報道姿勢に変更はありません(琉球新報東京報
 道部)

 菅長官は関係者に、「基地問題は、いまが(反対運動の)ピークでしょう」
 という見通しを口にしている。沖縄世論の切り崩しは、まず地元紙から。
 話せば分かる―この日の“懐柔”会合は、菅長官の周到な布石に見える。>

以上が講談社発行の『フライデー』6月26日号の記事全文である。

 

神山吉光コメント

沖縄2紙は絶対に報じないが、去る4月19日県立博物館において「沖縄タイムス・琉球新報を正す県民の会」が結成され、続いて4月26日には浦添産業振興センターにおいて、中山元文科大臣を招いての講演会が開催されたが、いずれも会場は超満員で大変な熱気だった。

「沖縄タイムス」「琉球新報」の近年の著しい偏向報道に対する沖縄県民の怒りの証左である。

また、最近では「沖縄タイムス」「琉球新報」に対抗する第3の県紙の創刊も巷間では話題になっている。

そんな最中で沖縄のメディア対策に安部政権がいよいよ動き出したという感じだ。

 

<7月は夏季休暇。次回は8月1日更新。毎月1日15日定期更新>