解り安く、面白く、パンチの効いた時事評論

2015年8月15日更新 〈第39回〉

 

戦後70年「首相談話」に思う

      ~不戦の誓いと共に
        謝罪の連続にも終止符を打て~

 

談話の内容には大旨で納得

 8月15日は戦後70回目の終戦記念日。その前日14日は午後の臨時閣議で戦後70年の「首相談話」が決定され、夕方には安倍総理によって談話の内容が発表された。

 朝日新聞をはじめ沖縄二紙は相変わらず批判的に報じているが、それは朝日と沖縄二紙の角度から見ているからそうであって、決してそればかりではない。昨日の今日であり、まだ詳細には分析していないが、筆者はとりあえず大旨で今回の首相談話には納得だ。

 談話全体としては、安倍総理も自身の政治信条をある程度おさえて、内外に充分に配慮した内容になっている。

 新聞や野党は「おわび」や「侵略」などの表現について、「引用の形で述べられている」と言っているが、国内にはいろいろな考え方があり、これも又談話を出す際の一つのバランスであろう。

沖縄側も評価すべきだ

 沖縄側から見ても、村山総理の50年談話や小泉総理の60年談話では1字の言及さえもなかった沖縄戦について、安倍総理だけが今回の70年談話で沖縄戦について明確に言及したことは素直に評価すべきである。

 だが沖縄二紙には、このような素振りは全く見られない。逆に沖縄戦について言及がなかった場合には、「沖縄戦に言及なし」の大見出しが紙面で躍っていただろう。

次の世代の「謝罪」は不要

 また、今回の談話の中で1931年の満州事変以降の日本について、「日本が進むべき進路を誤り、戦争への道へ進んだ」と深く反省し、「いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては二度と用いてはならない」と不戦の誓いを強調した。

 その上で、特に「戦争に関わりのない世代に、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」、そのことを加えたことには大きな意義がある。これが70年談話の大きな特徴であると筆者には思える。

 戦後から70年、日本には独立国としての尊厳があり、謝罪の連続だけはどうしても改めて欲しいものだ。ましてや戦争に関わりのない次世代にまで謝罪を継続して行くことには大きな違和感を覚える。未来永劫にまたがる謝罪は不要だ。

 戦後70年の節目に当たり、不戦の誓いと共に、勇気をもって謝罪の連続に終止符を打つことも時の政権に課された大きな責任である。

 

活字メディア情報回覧版

8月19日更新

  70年「首相談話」が発表された3日後の(18日)、読売新聞は全国世論調査
 の結果を次のように報じている。(全文)

 <読売新聞の全国世論調査で、戦後70年の安倍首相談話を好意的に受け止める人が多く、安倍内閣の支持率が下げ止まったことに、政府・与党では安堵の声が広がった。一方、安全保障関連法案への支持が伸びないことから、野党は国会で攻勢を強める構えだ。
 自民党の高村正彦副総裁は17日、首相談話について「多くの日本人に受け入れられやすい談話であり、評価されたことが内閣支持率などの結果につながっている」と語り、バランスの取れた内容が内閣支持率に良い影響を与えたとの認識を示した。
 談話が「痛切な反省と心からのおわび」を表明した歴代内閣の立場を引き継いだことについて、「評価する」は民主・維新支持層で6割を超え、共産支持層でも5割強に上った。首相に近い自民党議員は「談話は広く国民に受け入れられた。ひとまず、ほっとした」と述べた。
 ただ、安保関連法案に関する説明不足を指摘する人が多いことに、自民党の谷垣幹事長は17日、「謙虚に受け止めて、政府・与党一体となって丁寧に説明を尽くしていく」と述べた。政府高官は「しっかりと法案を仕上げていくしかない」と語り、緊張感を持った政権運営の必要性を強調した。
 野党は首相談話への評価が高かったことから、当面は安保関連法案を巡る攻防に力を傾注する構えだ。民主党幹部は17日、「談話の評価より安保法案で追及する方が支持率を下げる効果はある」と語った。>

(読売新聞8月18日)

 

神山吉光のコメント

 今回の世論調査で驚いたのは、談話が「痛切な反省と心からのお詫び」を表明した歴代内閣の立場を引き継いだことについて、つまり、あのような「談話」の文言を共産党支持者までも5割以上が「評価する」と答えたことだ。要するに多くの国民がほぼ納得しているということでる。

 実は、今回の15日公開のブログ「神山吉光が吠える」は15日午前中に執筆して、お昼前から公開した。前日14日夕に「談話」が発表され、15日早朝から筆者は各紙に目を通して、急ぎで「談話」に〝大旨で納得〟という評価の判断を下した。

 ところが、県内から早々に「評価が甘すぎる」という反発の電話がかかってきた。沖縄の2紙しか見てない読者が「甘すぎる」と思うのはよく理解できる。
 なぜならば15日当日の沖縄2紙の紙面は全て「安倍談話」に批判的であったからだ。今回の世論調査で安堵しているのは自民党関係者だけでなく、18日の読売新聞を見て筆者も安堵している。
 今回の「首相談話」が安保法制の審議に大きく影響することはないだろう。

 

 <次回は9月1日更新。毎月1日と15日に定期更新>

  

 

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