解り安く、面白く、パンチの効いた時事評論

神山吉光が吠える 題字

                                          2015年10月1日 更新〈第42回〉

 

   翁長知事の国連演説と
      在沖米軍基地の全国比問題

 

知事の発言にも合致しないオール沖縄の「意見広告」 

 翁長雄志知事は去る9月21日、スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会で2分間の演説(発言)を行った。本稿に関係するその一部だけを先に紹介しよう。

 <沖縄県内の米軍基地は、第二次世界大戦後、米軍に強制収容されて出来た基地です。沖縄が自ら望んで土地を提供したものではありません。

 沖縄は日本国土の0,6%の面積しかありませんが、在日米軍専用施設の73,8%が存在しています。戦後70年間、未だ米軍基地から派生する事件、事故や環境問題が県民生活に大きな影響を与え続けています。このように沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされています。>

 これは、翁長知事が行った、たった2分間の発言の中のしかも一部分である。その中の「在日米軍専用施設の73,8%が存在しています。」としたところは「専用」の2文字が入っているので、実態に従っており翁長知事のこの部分の発言は正解と言える。

 ところが、去る8月30日(日)、翁長知事を誕生させたオール沖縄すなわち「沖縄『建白書』を実現し、未来を拓く島ぐるみ会議」と「ヘリ基地反対協議会」が広告主となって、「琉球新報」と「沖縄タイムス」に登載した「意見広告」の中には米軍施設の全国比の表記に大きな間違いがある。先ずは、「琉球新報」だが、広告の本文中にある米軍施設の全国比のところで「・・・1972年の復帰時には59%、現在では74%の米軍基地が沖縄にあります」とした部分だ。また、「沖縄タイムス」では同じく広告の本文中にある米軍施設の全国比のところで「戦後70年、本土復帰43年たった今でも、全国の0,6%の面積に過ぎない沖縄に73,8%の米軍基地が集中する現実は変わっておりません」とした部分だ。両紙の意見広告にあるこの部分は明らかに間違いであり、74%または73,8%と表記する場合は、翁長知事の国連演説と同じように「米軍専用基地」としなければならないが、広告の中からは「専用」の2文字が抜けている。また、「米軍基地」とだけ表記する場合には、実態に従って23%と表記するのが正当であるが、広告には琉球新報が74%、沖縄タイムスが73,8%となっている。この「意見広告」はあきらかに間違いであり、この部分に限り翁長知事の国連での発言が正解である。

 この在沖米軍基地の全国比の問題は、本ブログ「神山吉光が吠える」の第40回(9月1日更新、現在継続公開中)でも「沖縄県民は真実を語って勝負しよう」の大見出しで指摘し、また、知事までが「意見広告」のように間違って発言したのでは困ると思って、発売中の雑誌『現代公論』秋季号の「巻頭言」でも同じ見出しで指摘している。よもやブログと雑誌に翁長知事の目が留まったかどうかは定かではないが、いずれにしてもブログと雑誌で指摘した趣旨に従って、その後に知事が間違いなく国連で発言したことは筆者としては図らずも冥利につきる。

 しかし、知事が間違いなく発言することは当然であり、この部分だけをとって、今回の翁長知事の国連演説全体を直ちに評価するわけにはいかない。翁長知事の後援団体が広告主となって出したあの新聞の意見広告」は明らかに間違いであり、翁長知事自身にも大いに責任がある。

 従って、翁長知事にとっては自らの後援団体が出した新聞の「意見広告」に対して、今回の国連発言に従って速やかに訂正広告を出すよう指導力を発揮して欲しいものだ。本件は今後の動向に注視する。

 

こんなこともあったのか「知事の国連演説」

 さて、ご承知の通り、翁長知事は国連人権理事会で2分間の演説(発言)を行い、その国連演説を沖縄二紙は高く評価して連日大見出しで報じたが、その報道そのものは誠に結構である。

 ところが、その一方では同等に翁長知事の演説に対する反論の動きも現実にはあったようである。ところがどういう訳か沖縄二紙はほとんどそのことには触れることはなかった。

 従って、「琉球新報」と「沖縄タイムス」は読者である沖縄県民に対しては残念ながら公正、公平な情報を供給してないことになる。産経新聞と八重山日報が報じていたのでその読者でもある筆者は辛うじて情報音痴から救われた思いだ。特に八重山日報は県紙同等に編集長を現地取材に派遣して、9月28日の同紙で「知事の「国連発言」打ち消す」の大見出しを打って次のようなリード文で報じている。

 <翁長雄志知事が21日、スイスの国連人権理事会で演説し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で「県民の人権が侵害されている」と訴えてから約18時間後、名護市民の我那覇真子さん(26)が22日、知事と同じ席から「県民は世界最高水準の人権を享受している」と真っ向から反論した。日本政府の代表も知事の発言を否定。沖縄の民意として反基地を国際発言するはずだった知事演説は、政府、沖縄県民の双方から「挟み撃ち」で打ち消された格好になり、信憑(ぴょう)性)は大きく揺らいだ。>

 これは、八重山日報の報道記事のリード文である。どうやら翁長知事の国連演説とその周辺の動きについては、沖縄二紙の報道だけで判断することなく、時を置いて冷静に考えてみる必要があるような気がする。この問題はまたいずれに論じよう。

 

雑誌の編集中は内外情勢が激動

現代公論 秋季号

好評発売中の「秋季号」

発売中の小誌『現代公論』秋季号(写真参照)の編集中は県内外が大きく揺れ動き、そして情勢も日々に変化した。

 先ず安保法案だが、同法案の審議をしていた国会では9月16日中にも委員会採択を行う予定であったが、野党側の反対でとうとう採択は17日以降に持ち越された。深夜のことで院内外の状況をテレビで見ていると、さながら憲法改正の予行演習を見る思いであった。与党自民党は本気になって憲法改正を目指しており、そうであれば今回の野党抵抗を学習しながら、今から審議突破の練習を重ねる必要がある。すったもんだの末、安保法案も成立し、今国会も閉会した。
 同法案の成立後も例によって野党やメディアはいろいろ異論を唱えているが、とにかく自民党は先の衆議院総選挙で安保法案の成立を公約して選挙に大勝した。その法案の成立がなければ公約違反という事になる。確かに世論調査では反対が多数を占めていることは分かる。しかし世論調査はその問いかけ方によってもその結果が大きく左右され、事実、各社によって必ず差異が出ている。与党側が世論調査よりも選挙結果を重視して同法案の成立を計ろうとしたことは議会政治の常道であり正当であった。選挙公約に優先して、世論調査だけで政治が動く様では本当の民主政治とは言えない。野党が安保法案に反対であれば今後の国政選挙においてあまねく勝利し、そして同法案の廃止法案を出すべきである。

 一方、国会の動きと前後して県政で気になったことはやはり普天間飛行場の移設問題である。翁長雄志知事は昨年11月の知事選挙で圧勝し、その勢いでオール沖縄の主要メンバーと訪米団を組んでワシントンまで飛んで行ったが、何の成果もなかった。その証が今朝(10月1日)の新聞報道である。報道によると米上下両院の軍事委員会は普天間移設の現行計画を引き続き推進することを確認したようである。

 また、去る8月4日の記者会見で翁長知事は国と県の集中協議が辺野古工事を中断して1ヶ月間行われることは「大きな前進」であると語っていたが、この集中協議も何の前進もなかった。その結果、むしろ、国と県の対立関係を深くしてしまったような感じがする。今後も形の上では県と国の協議の場が設けられるようだが、そうであれば承認取り消しの表明は早かったのではないか。このように先がなかなか読めない状況下で、辺野古容認派は辺野古反対を県政の柱にしている翁長県政に具体的に対抗する妙案が今のところ見いだせないというのが実際のようである。

 

新聞批判の本を来春にも出版

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ベストセラーになった前版の
「日本から朝日新聞が消える日」

 新聞を正すことは社会を正すことである。
予てから計画中であった新聞批判の本を来春にも2本出版することになった。

 先ずは、朝日新聞批判だ。前に「日本から朝日新聞が消える日」(片岡正巳 著)を出版し、3週連続のベストセラーで全国的にも大反響を呼んだことがある。ところが「朝日」は未だに健在だ。健在というよりも、昨年は従軍慰安婦問題の誤報が発覚して、国民的な大批判を浴びており、今でもよく生き延びているという感がする。従って、朝日批判には今でも大いに意義があり、前版の続版として今版は8人の一流執筆陣による『日本から朝日新聞を消そう』(仮名)を来春4月にも出版することになった。

 また、沖縄二紙を歴史的に批判した「沖縄二大新聞の大罪」(仮名)も同時出版を目指して現在執筆中である。読者諸兄からもこの三紙に関わる情報をご提供いただければ幸いである。

 

(次回更新は10月15日。毎月1日、15日に定期更新)

 


 

  活字メディア情報回覧版  

 

『現代公論』がまたまた新聞批判を大特集

現代公論 2015年 秋季号 閣文社発行の『現代公論』では、この頃「秋季号」を発売し、またまた琉球新報、沖縄タイムスの報道姿勢を批判する「大特集」を組み発売と同時に話題を呼んでいる。

「秋季号」も売り切れが予想されるために購読希望者はお早目に最寄りの書店または、メール、及びFAXまたはお電話で直接発行所(閣文社)へお申し込みください。

 

  季刊『現代公論』秋季号   目次概況 

(B5判、60頁 650円(税込) 9月末発売)

目次

        ● 表紙写真はイメージ(仮置き)です。また、 目次は発行直前の社会情勢や誌面調整等によって変更になる場合があります。

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