解り安く、面白く、パンチの効いた時事評論

神山吉光が吠える

                                          2015年12月1日 更新〈第45回〉

読者からの反響に考慮して、公開期間を延長いたします。
ご了承下さい。(一部改訂)

 

普天間移設問題

辺野古容認派だからこそ、        

あえて安倍政権に警告する

はじめに

  先の反翁長派の国連行動に関して、沖縄二紙ではほとんど報道されなかった。
 従って、雑誌『現代公論』冬季号では、関係者の論考を中心に「国連特集」を組むことにした。これに対しては、確かに相当な違和感もあった。

 しかし、国連人権理事会で翁長知事の演説に反論したもう一つの沖縄側演説があったことは事実であり、沖縄メディアの国連報道を補完し、沖縄二紙の報道を公平に正す意味からも「特集」での誌面づくりを通すことにした。

 関係者から寄稿された原稿量も実に多く、誌幅の調整には本当に手間どったが、全体の印象としては、文句なしに我那覇真子女史の爽やかで勇気ある行動が輝いていた。彼女たちが遠くジュネーブまで飛んで行った価値は大いにあったようである。
読売新聞も「社説」で扱い、産経新聞もそのことを報じた。
 我那覇国連演説は、翁長知事の演説と共に後世の歴史にも必ず記録されるであろう。
 雑誌『現代公論』冬季号の「特集」で組まれたそれぞれの論考の評価は、読者の判断に委ねることにする。

「慰霊の日」の参院選公示日の問題

 「一定の段階までは翁長さんを支持するが、もうこれからは裁判に任せた方がいい」沖縄県内では、俄かにこのような声が広がりつつある。当初から予想されたことだが、普天間飛行場の移設問題は、国が翁長雄志沖縄県知事を提訴したことによって、ついに裁判闘争へと突入することが確実となった。従って、この頃は自ずと安倍政権に抵抗する翁長知事の記者会見が多くなっている。

 さて、筆者は世界一危険な普天間飛行場の危険性の除去を、最優先に考えて、どちらかといえば辺野古容認派に位置している。正確には消極的辺野古推進派ということだ。我が国の安全保障を考え辺野古推進を思うからこそ、この際、あえて安倍政権に警告を発してしておきたいと思う。

 先ず、参院選の告示日の問題だ。来年7月の参院選の公示日を沖縄の「慰霊の日」に当たる6月23日に設定するという案が政府内から出ているようだが、これだけはどうしても避けて欲しい。この時期に余りにも沖縄に対する無理解と無神経がひどすぎる。

 皇室でも戦没者慰霊のために6月23日の沖縄の慰霊の日、8月6日の広島の原爆の日、8月9日の長崎の原爆の日、そして8月15日の終戦記念日を「忘れられない四つの日」と指定されており、島尻安伊子沖縄担当相も、「沖縄にとって慰霊の日は鎮魂の日であって選挙公示日にはなじまないのではないか」と、その日の公示日設定は避けるように政府に申し出ている。また、沖縄県議会の喜納昌春議長が「なんと言っても慰霊の日は摩文仁での追悼式だけでなく、沖縄が一日中、慰霊の思いに包まれる日だ」と述べている通り、多くの沖縄県民が「慰霊の日」は一致してそのように理解している。慰霊の日に限り、あの米軍機さえも沖縄上空の飛行を控えているのが実情だ。

 安倍政権がこれも知らないようでは本当に情けない。こんな調子では辺野古反対でオール沖縄と言う嵐の中で、辺野古容認派は「容認」と言えなくなる。
また、来年夏の参院選も戦いにならない、野党側からも猛攻撃を受けることが明々白々だ。

安倍政権に近年二つの失点

 実は、沖縄県内の辺野古容認派が、安倍政権の政治姿勢や基地政策に関して、黙って我慢していることが、少なくとも二つある。阿部総理大臣
 先ずかいつまんで言うと、2013年4月28日、政府主催で挙行した「主権回復記念式典」だ。当時の仲井眞知事は、一応は高良副知事を記念式典に派遣はしたものの、沖縄にとってはその日が本土から切り離された「屈辱の日」という事で、多くの県民が反対し、自民党県連からも強い申し出をしたが安倍政権はそれを強行した。
 又、最近では、あのオスプレイ訓練の佐賀空港移転計画の問題だ。政府は地元の反対を理由にあっさりと白紙に戻した。そうするにしても沖縄への配慮が足りなかったのではないか。

 決して安倍政権の本意ではないと確信するが、しかし、沖縄では残念ながらこれらの政治手法は安倍政権の沖縄差別だと受け止められている。そのような環境の中で出てきたのが今回の慰霊の日の参院選公示日問題である。自民党県連と公明党県本部もそれぞれの党本部に再考するよう求めているようだが、若しもそれを無視して安倍政権が強行するようであれば、それが〝アリの一穴〟となり、大きなダムがアリの一穴で崩壊するように、普天間の移設計画も崩壊するのではないかと本当に心配でならない。そうなれば安倍政権にはそれなりの覚悟が必要になってくる。
 普天間移設という大事な時期であり、余り沖縄県民の気持ちを刺激しない方がいいだろう。実際に沖縄地元の辺野古容認派も頭を痛めている。

■本ブログは、筆者が責任編集となっている雑誌『現代公論』と一部連結している場合があります。

尚、好評発売中の『現代公論』冬季号の「巻末言」中見出しに「安倍政権に三つの失点」とあるところを「安倍政権に近年二つの失点」に訂正いたします。ご了承ください。

 

 

(次回は1月1日更新。毎月1日、15日に原則定期更新)


 

  活字メディア情報回覧版  

季刊『現代公論』冬季号が
反翁長派の国連演説を大特集

 

もう一つの国連演説

現代公論 2015年冬季号表紙

冬季号

 閣文社発行の季刊『現代公論』冬季号が、あの翁長知事の「国連演説」を批判したもう一つの沖縄側国連演説を大特集し、発売前から話題を呼んでいます。
「冬季号」も売切れが予想されるために購読希望者は、お早目に最寄りの書店または、メール及びFAXまたは電話で直接発行所(閣文社)へお申し込みください。

12月1日発売 B5判 60頁 650円(税込)

 

季刊『現代公論』冬季号 目次概況

現代公論 2015年冬季号目次

 

申込方法

 お代金は定価(650円)+送料(82円)=732円を下記ゆうちょ銀行口座にお振り込みください。
お申し込み後1週間程度で、ご注文の本誌をお届けいたします。

口座番号

新規に定期購読をご希望される場合は、4回配本分(2,600円)の前納制になります。
2年目からは後納制に移行します。また、定期購読者への配本送料は当社が負担します。
ご希望の方は購入フォームから入って下さい。

〒902-0068 那覇市真嘉比3-14-7(6F)
閣文社『現代公論』購読係  行
TEL 098-885-4625 
FAX 098-885-4570

 

神山吉光 沖縄事務所 〒902-0068 那覇市真嘉比3丁目14番7号(602) フリーダイヤル 0120−885−989 本人直通 070−5536−8137 FAX 098−885−4570